古本の整理中にページのカケ(部分的な欠損)のある本を発見。
これならば修理ができそうだ!ということで第2回図書修理は見返し(ハードカバー本を開いて最初の紙)のカケの補修に挑戦していきます。
『地名と風土』/谷川健一 編/思潮社
件の本がこちら。裸本という点を除けば汚れも少なく状態は良い。
見返しのカケを確認。作業としては第1回(【図書修理】はじめての図書修理『シノビガミ大判』 前編)のヤブレの補修でしたような和紙を貼っての補修です。とはいえ今回は欠けたページを補う都合上、前回より厚めの和紙を用意しています。
*使った和紙の厚みなどは国立国会図書館 資料保存課の『簡易補修テキスト』が大いに参考になりました。
見返しのカケの補修
まずはカケ部分に合うように和紙をちぎり、希釈したでんぷん糊を使って貼り合わせる。ここで和紙を切らずにちぎっているのは、和紙の端をけば立たせるとページとよく馴染んで剥がれにくくなるためです。
乾燥後の様子。一度は埃を巻き込んでしまいやり直しもしましたが、二度目できれいに貼ることができました!でもですね…このままだとなんとなく薄っぺらくて心許ないと思いませんか?私も思います。
ということで先ほどとは反対の面から和紙を貼り、2枚の和紙で両面からページを挟み込む形での補強を試みます。(写真は二度目の乾燥の様子)
しっかり乾いたらはみ出した部分をカットして完了!見た目の自然さもさることながら、ページをめくる感触も1枚のときよりもしっかりとしたように感じられます。
こちらは表紙を開いたときの見栄え。カケはもう目を凝らさなければ気づかないほどなのがわかるかと思います。
最後に宣伝ですが、本作業でも書物研究会の『図書の修理 とらの巻』シリーズにお世話になっています。豊富な挿絵と平易な表現でとっつきやすい本ですので、ご興味があればこちらもどうぞ。
それではまた。
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