アザトースシンドロームとは!ダブルクロス The 3rd Edition(DX3rd)のサプリメント「クロウリングケイオス(CRC)」で追加された、CRCステージのみで使用を許される14種目の新たなるシンドロームである!
そんなアザトースシンドロームでどんなビルドが可能となるのか、ステージ追加サプリであるネームレスシティ(NC)のデータもあわせて見ていこう。
※エラッタは2022年2月22日版を参照
■アザトースシンドロームとは
禁断のシンドローム。人類の理解や確率、物理法則を超えた、"宿命"や"因果律"と呼ぶほかない何かに干渉するもの。邪神因子でも説明がつかない"怪奇"を呼び起こす力。それがアザトースシンドロームである。
……理解いただけただろうか?筆者は諦めている。なにせ人類の理解を超えているのだから、早い話が"なんでもあり"なシンドロームなんだな、くらいの理解でいいと思う。
そもそもシンドローム名の由来である「アザトース」からして、あらゆる神々、世界をも産み出したという途方もない存在だ。その名を冠したアザトースシンドロームもまた、既存のシンドロームと一線を画した、あるいはまったく異質な能力を有しているというわけだ。――ちなみにCRCの販売当初は、多数のデータの不備もあいまってそこここで物議を醸したとか。
■能力値とビルド適正
能力値
肉体:1 感覚:0 精神:3 社会:0
CRCステージでは恐怖判定や魔術ロールなど【精神】能力値に依存する処理が追加されており、そういった意味でもステージ専用シンドロームらしいと言える。組み合わせるシンドロームによっては、0になる能力値ができないよう配慮する必要がある点に注意。
ビルド適正
◎RCアタッカー
○白兵アタッカー、射撃アタッカー
△妨害、ガード、回避
×その他アタッカー、支援、回復
高い【精神】能力値を活かすRCアタッカーに最も適性が高い。また、高係数のエフェクトで攻撃力を稼ぐことが得意なため、判定ダイスさえ補えれば白兵や射撃アタッカーでも活躍しやすい。ただし、ピュアブリードでは移動や装甲無視といった小器用なことはほとんどできない。
アタッカー以外のビルドについては使えるエフェクトが存在しないか、あってもクセが強く適性は低い。そのため基本的にクロスブリード以上とし、有用なエフェクトをつまみ食いしていくのが良いだろう。
■代表的なアザトースのエフェクト
《虚無の触腕》…素手を攻撃力+[LV+5]、射程10mに変更。移動エフェクトを持たないアザトースピュアの救いの星
《超次元存在》…判定ダイス+[LV×2]個。「技能:シンドローム」で使いやすいがコストは少し重い
《此処より永遠に》…ランダムにバステを受ける代わりにメインプロセスの攻撃力+[LV×4]
《冒涜的存在》…バステの効果をLV個まで無効化し判定ダイスまで増やす常時エフェクト。エフェクトのデメリットの踏み倒しや暴走など致命的なバステの対策に
《根源的破滅招来》…シナリオ1回〈RC〉攻撃をシーン化。制限80%
《ニトクリスの鏡》…[LV×10]の強力なダメージ反射。制限80%
《フェインデス》…HP0になったラウンド中、あらゆる判定C値-1。カバーリングや待機をうまく使おう。制限80%
《黙示録の終焉》…シーンorシーン(選)攻撃の対象を自身1人に集める。制限120%
《レムリア断撃》…攻撃力+[LV×5]の制限120%エフェクト。対象の制限はボス相手であればほとんど問題にはならない
《ファイナルステージ》…攻撃力+[LV×6]の制限ピュアブリード決戦兵器
■ブリードごとのビルド考察
ピュアブリード
アタッカー以外の選択肢は基本的に無い。それも火力以外のエフェクトの幅が狭く、能力値に経験点を割く必要があることを考えると、よほどのこだわりがない限りピュアを選ぶ利点は薄い。
あえて組むのであればRCアタッカーが最もシンプルでおすすめしやすい。《彼方より》を起点に高係数の攻撃エフェクトを取得することで、暴力的な火力の戦闘屋が簡単にできあがるだろう。〈RC〉型の特権として、《根源的破滅招来》によりシナリオ1回のシーン攻撃も可能だ。
白兵アタッカーの場合、まず命中判定ダイスを確保するため適当な〈白兵〉起点に《超次元存在》を組み合わせる。ただし移動系エフェクトを持たないためエンゲージ管理には気をつかう必要がある。あるいは攻撃力は多少落ちるが、《虚無の触腕》による素手型なら射程を確保しつつ《蠢く触脚》のダイス増加効果も活かすこともできる。
>>【DX3rd】アザトースピュア「《虚無の触腕》型素手白兵アタッカー」
ちなみに「制限:ピュアブリード」エフェクトはどちらも高係数の火力特化。筆者としては某平成ウルトラマンを彷彿とさせる《輝ける者》を推したい――推したいが、《ファイナルステージ》と比べると対象の種別制限が無いかわりにシナリオ1回単体のみでしか殴れない。おまけに攻撃力係数でも負けているのがなんともかなしみ。
クロスブリード
単体では器用さに欠けるアザトースシンドロームは、クロスブリードにすることでその性能をより発揮しやすくなる。
バロール×アザトース
【精神】能力値を活かしたRCアタッカーに向く組み合わせ。アザトースの苦手な範囲攻撃や装甲無視を補うことができ、高火力をより効果的に発揮できる。また、《時の棺》《孤独の魔眼》《黙示録の終焉》で最大三回パーティのロイスを守るという芸当もできる。
>>【DX3rd】バロール×アザトース「汎用RC範囲アタッカー」
サラマンダー×アザトース
《冒涜的存在》による対バステ性能を活かしたガード型が強力な組み合わせ。装甲無視のダメージを軽減する《摂理の嘲笑者》や、優秀なダメージ反射エフェクト《ニトクリスの鏡》も使いやすい。
>>【DX3rd】サラマンダー×アザトース「汎用ガード&カウンター」
ウロボロス×アザトース
高い【精神】能力値と《無形の影》、《原初の○○》シリーズでどんなアタッカーにもなれる組み合わせ。対象をオーヴァード扱いにすることができる《禍々しき抱擁》が最も輝く組み合わせでもある。
トライブリード
アザトースシンドロームには魅力的な制限100%エフェクトが少なく、トライブリードも有力な選択肢だ。また、主要エフェクトのほとんどが最大レベル5であるため、最大レベルが下がることによるデメリットも少ない。
トライブリードにすることでリミットエフェクトにも手を伸ばしやすくなるが、正直に言って使い勝手が悪いものが多い。前提条件も込みで実用的なものをあげるなら、攻撃力をシナリオ1回+[LV×5]する《果てしなき流れの涯/NC》や、唯一の汎用範囲化エフェクト《ヨグ=ソトースの拳/NC》あたりだろうか。
■名状しがたきアザトースのエフェクト
さて、最後にアザトースがいかに人知を超えた"なんでもあり"なシンドロームなのか、名状しがたきその一端をお見せしよう。
《アザトースの詩》…マスターシーンなど本来知らないはずの出来事を「うわごとのように口からよだれ混じりに垂れ流す」ことができるエフェクト
《何かが道をやってくる》…シーン外から幻を送り込む。対象がオーヴァードなら侵蝕率+1D10、一般人なら発狂することも!
《破滅への誘い》…相手が1000km以内なら隠れていようがお構いなしに出頭させる
《存在の剥奪》…因果律を無視して"存在していた事実"を奪う。記録、記憶、その過去すらも……
《星間飛行》…遠き宇宙の星々や遥かなる異世界に行くことができる。真空や宇宙放射線、相対性理論は無視してもいいけどGMのことは無視しないようにしよう
《永劫回帰/NC》…ジャーム化したPCのキャラシがGMへと渡る前にひったくり、代わりに自分のキャラシを破り捨てることができるエフェクト
《腐敗の愛撫/NC》…毎月1日をHP最大値-1点記念日にする。1650か月後に死ぬ大いなるクトゥルフ
《これが本当のワタシ/NC》…妄想の力によって即座にDロイスを取得する。一体いつから――ロイスが最大7つだと錯覚していた?
■総括
アザトースシンドロームの長所
- 【精神】能力値に秀で、高係数の火力エフェクトが多い
- 独特の効果やCRC固有のシステムに対応するエフェクトを持つ
アザトースシンドロームの短所
- アタッカーとしての器用さや、支援能力には欠ける
- 一部のエフェクトが人知を超えてしまっている
以上、侵蝕率に気をつけて良いダブルクロスを!
©F.E.A.R.「ダブルクロス The 3rd Edition」
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