DX3rd(ダブルクロス The 3rd Edition)のクロウリングケイオス(CRC)ステージ追加サプリであるネームレスシティ(NC)には、基本ステージでも使用可能なアイテムデータが多数追加されています。しかしそれらのうちいくつかは、これまでのデータを過去のものにしてしまうほど強力であり、敬遠している方もいるのではないでしょうか。
……というか筆者がまさにそうだった。
しかしそれではせっかくのアイテムたちも浮かばれない。ここはひとつ腰を据え、一つ一つ短評をしたためようじゃないか。
※エラッタは2022年2月22日版を参照
■追加アイテム
武器
・ポールアーム:行動値こそ下がるが、そこらの盾顔負けのガード値を併せ持つ高コスパ武器。竹槍でもいいらしい。竹すごい
・スタニングバトン:常備化点1点の警棒。フレーバーに反して硬直などは付与しない
・ショックバトン:放心を付与できる珍しい白兵武器
・強化ブレード:木刀と同じ常備化点にして破格の攻撃力を持つ
・アンチレネゲイドシールド:クリスタルシールドに並ぶガード値(※エラッタ後)を誇る。行動値低下は重いがこちらは《八重垣》に対応している
・三連パイルバンカー:制限付きの強化版パイルバンカー。NC追加防具のおかげでパワーアシストアーマーを裏ルートから仕入れる必要はない
・粗悪な拳銃:ナイフや手裏剣(IC)がライバルだが最も購入を狙いやすい
・パワーピストル:同じ威力帯の射撃武器では圧倒的に高コスパ
・コンバットショットガン:ショットガンが一回り大きくなって帰ってきた。値段の差はわずか1点なので基本的にはこちらを持ちたい
・猟銃:逆に一回り小さくなったボルトアクションライフル。〈調達〉ダイス1個から購入を狙える
・スマートライフル:お求めやすくなった最新型アサルトライフル。もとい完全上位互換。さすが最新型
・ARライフル:そこそこの火力と疑似的な放心を与える。抗レネゲイド系統の例にもれず割高
・弓矢:価格は安いが性能もまずまず。絶妙に長い射程が嬉しい…こともあるかもしれないが、同時に他の武器を装備できず、同エンゲージ攻撃も不可(※エラッタ後)
・小型ロケットランチャー:シーン一回の高火力範囲攻撃が驚くほど安価で手に入る。グレネードランチャーは単体攻撃と切り替えられる利点があるが、フラググレネード(IC)を持つ理由は無くなった
・ミニガン:フレーバーに反してパワーアシストアーマーを装備しただけでは使用できない歩兵用の搭載火器。後述のPAアーマーシリーズを着れば問題なく使えるが、それなりに値は張る
・車載式機関銃:高めの攻撃力にトループ特攻もつき、搭載火器の制限を差し引いても驚くほど安価
・大口径機関砲:ガード不可、トループ特攻の搭載火器。アンチマテリアルライフルの正当強化版といった性能であるが回数制限は無い
・重迫撃砲:100m以内を狙えない新しいタイプの射程制限を持つ搭載火器。【肉体】12以上の使用制限も厳しくほぼNPC用
・ATMランチャー:比較的常備化しやすいガード不可武器。至近への攻撃には火炎放射器(IC)をどうぞ
・レーザーランチャー:回数制限が無く、装甲無視つきの優秀な搭載火器。購入は高いので常備化が基本
・火炎ビン:常備化点1点で範囲化かつガード不可が手に入る圧倒的コスパ。射撃屋必携
防具
・強化プロテクター:廉価でそれなりの装甲値。財産点が余っていれば
・第二世代型PAアーマー:搭載火器対応防具その1。ペナルティも重いがそれなりにお求めやすい価格
・"黒雷"PAアーマー:搭載火器対応防具その2。購入不可かつ常備化も重い。よほどのこだわりがあるなら
ヴィークル
・スクーター・小型バイク:特に言うことはない日常の足
・歩兵戦闘車:価格相応に高い攻撃力と厚い装甲値。パンツァーフォー!
その他
・高性能治療キット:おなじみ応急手当キットのスケールアップ版…と思いきや何度でも使える。いいの?
・アキュート:PAアーマー系統サポートアイテムその1。素手の攻撃力を+【肉体】(エラッタ後)する。常備化が安いので素手を使うなら用意しておきたい
・ダッシュローラー:PAアーマー系統サポートアイテムその2。こちらも常備化が安いので必要に応じて持つ
・予備弾倉:一部の武器の使用回数を回復できる待望のアイテム。アンチマテリアルライフルを束で持つ必要がなくなった。また、これのおかげで一部の武器は完全な下位互換化を免れている
・炸裂徹甲弾:圧倒的コスパで一部武器の火力を増強。上位性能武器との差別化要素その2
・アンチレネゲイドシェル:オーヴァード限定のダイス低下を付与する弾丸。抗レネゲイド系統の例に…もれて安い。ねぇ抗レネゲイド弾くん、泣いてるよ?
・芸術道具:購入価格に幅が持たされているがその理由は不明。常備化する分には普通に良いアイテム
■ユニークアイテム
武器
・チェーンソード:重めの命中ペナルティと破格の攻撃力を持つ超高コスパ武器。「実戦的とは言いがたい」などという妄言に騙されていはいけない
・STRIDER:前後がぶっ飛びすぎているだけで普通に優秀な武器。移動距離にお悩みの方は
・神木の丸太:重めの命中ペナルティと破格の攻撃力を持つ超高コスパ武器その2。丸太すごい
・ファランクス:まずまずのガード値と攻撃力増加効果を持つ盾。マイナーアクションを使ってしまうので攻撃は射撃かRCが無難
・リングオブライフ:武器としては平凡だが回数制限の無い回復効果が強力。それはそれとしてフレーバーがよくわからない。リングフィットってこと?
・ソルジャークローム:シーン継続の攻撃力増加。3つまで重複するがマイナーアクションが必要
・クラウドリフト:セットアッププロセスで行動値を大きく上昇できるクナイ。行動値難のシンドロームの強い味方
・クリーヴァー:複数対象限定でダメージが増す戦斧。圧倒的火力を振り回す爽快さが魅力
・グリーフローズ:攻撃対象の達成値を減らす鞭。高経験点環境で《罪人の枷》と合わせたい
・スカルスローン:まさかの外付けの"素手"。レジェンドウェポン(上級)やエピック(BC)で指定すると伝説の"素手"が手に入る
・エフェクトシューター:高コスパ銃。キミだけのオリジナル弾丸を考えよう
・試作レーザーランチャー:高コスパ砲。ブラックドッグを持たない場合ペナルティを受けるため、極力自分の手番で装備するようにしたい
・カゲヌイ:〈射撃〉によるリアクションのダイス増加というニッチな需要に応える。《守りの弾》や《カウンター》とセットで
・アンダーテイカー:【感覚】が10以上のとき攻撃力が増すハンドガン。キャンペーン中に成長できると演出面でもおいしい
・デュエルロード:至近かつ単体攻撃で真価を発揮するショットガン。一言でいえばタイマン最強
・ブルーリボルト:マイナーアクションを使うが【感覚】+5点の達成値上昇は大きい。ダイスを信じない人向け
・クリムゾンブローチ:エフェクトの対象を範囲に上書きできる珍しい武器。ちなみにエフェクトの"効果"はアイテムに優先するため、「対象を変更できない」エフェクトの範囲化はできない
・バベルの巨塔:シナリオ三回雷を呼ぶド派手なフレーバーを持つ弓。同時に他の武器を装備できず、同エンゲージ攻撃も不可(※エラッタ後)。それにしてもこの名前だとキミ破壊される側じゃない?
・ビヨンドザナイト:行動値を捨てなければそもそも撃てない点が辛い。しかしレーザーブラスターはロマン。好き
防具
・RMAアーマー:破格の装甲値に加え、しれっと行動値も上がる高コスパ防具
・エアロスーツ:運転中のダイスペナルティを少し軽減する。同乗状態でのドッジ代行を担うならお守り代わりに
・プロトアームドスーツ:素のスペックだけ見ても優秀だが、そのうえ【肉体】能力値が直に伸びる。これだけで経験点の元が取れるため、肉体偏重型なら着ない手はない
・重装PAアーマー:搭載火器対応防具その3。圧倒的な装甲値だが意外に無理なく手に入る。行動値低下はそれなりに大きい
・アクトドレス:行動値が大きく上がり、装甲値もそこそこ。取得制限は無いも同じ
・シークレットオーダー:ダメージを【精神】点だけ軽減。邪毒などHPダメージは軽減できない
・ダークテスタメント:暴走中の判定ダイスとダメージを増加。ドッジができるようになる点も嬉しいが、暴走対策のためだけにとるには重い
・スマートヘルメット:〈運転〉と「道路の交通状態を調べるための判定」という謎判定のダイスが増えるユニークな重ね着防具
・ドッジブーツ:ラウンド一回ドッジダイスを大きく増やす。回避型には嬉しい
・サードアイヘルム:達成値増加はささやかだが装甲値が大きめ
・スカラグラス:シナリオ三回の万能ダイス増加。とはいえ効果はひかえめ
・ステルスコート:行動値、装甲値、〈回避〉それぞれを少しずつ強化する。行動値をとことん伸ばしたいときに
ヴィークル
・ターボスター:シナリオ一回だけ行動値を大きく盛る。搭載火器などの範囲攻撃と合わせたい
・対オーヴァード装甲車:エフェクト相手にはもっぱら堅くコスパ良好■シンドローム専用ユニークアイテム
エンジェルハィロゥ
・プリズムエッジ:組み合わせたエフェクト一つのレベルを上げる武器。最大レベルは上がらない点に注意
・ベルベットクローク:隠密状態の判定ダイスを増やす重ね着防具。ドラマシーンの隠密状態が許されるかによって使い勝手が大きく変わるバロール
・黒の中心核:シーン継続の与ダメージ増加。3つまで重複するがマイナーアクションが必要
・デーモンウィング:飛行することで白兵の判定ダイスが増える武器。性能も並以上ブラックドッグ
・オーディンアイ:シーン中任意の技能の判定ダイスを増やす。ミドルフェイズ中の判定が多様なCRCステージで活かしやすい
・ライトニングピストル:マイナーアクション使用で攻撃力の上がる銃。元の攻撃力は低いのでマイナーが潰れると痛いハヌマーン
・ストライクハーケン:前提条件が緩くシンプルに強い白兵/射撃武器
・七里靴:行動値が上がり戦闘移動で離脱可能になる。Dロイス「神速の担い手」と一緒に握って性能を引き出したいモルフェウス
・贋作王の秘本:他シンドロームのユニークアイテムを取得できる。欲しいものが決まっているなら原初の混沌(IC)よりこっち
・剣星の星砂:セットアッププロセスで武器、防具作成ができる救世主。《ファンアウト》をもらえば《鋼鉄の檻(BC)》でセットアップから封鎖を仕掛けられたりもするノイマン
・バトルスカウター:地味ながらシーン継続の行動値低下が特長
・サジタリウス:条件付きで複数体攻撃を狙えるライフル。《ターゲッティング》が前提のためイマイチ取り回しは良くないブラム=ストーカー
・血染めのマント:HP回復効果を増強する防具。ガード型などで一考
・サングイン:HP消費系エフェクトを強化。手堅く経験点以上の働きをしてくれるキュマイラ
・シャープフィン:実質的に《破壊の爪》強化アイテム。デメリット付きだが単純にレベルを上げるよりは効率がいい
・覇王甲:《完全獣化》直後に使用でき(※エラッタ後)、ラウンド間の火力を増強する。使い倒すなら《神獣撃》もしくは持続するエフェクト効果として獣化を解き、毎ラウンド《完全獣化》すればいいエグザイル
・供儀の石仮面:シナリオ一回のみHPを大きく盛るぞジョジョーーッ。《異形の刻印》のダメ押しに
アザトース
・ブラックストーンの短剣:種別限定のダメージ増加を持つ武器。持っているとミ=ゴに付け狙われるかもしれない
・嵐の矛槍:最大HPを犠牲に破格の行動値上昇を得る武器。おまけに素の性能もやたらに高い。二本持っても二倍速くなったりはしない(※エラッタ後)
・炎の剣:「嵐の矛槍と《マルチウェポン》した場合」というユニークな条件の攻撃力増加効果を持つ武器。必要経験点も実用範囲でありシナリオギミックとしても面白い
・氷炎の双銃:種別限定で装甲無視できる銃。威力もそれなり
・エントロピーブレイカー:フレーバーのスケールがデカすぎる射撃武器。ガード、カバーリング、ダメージ軽減不可という他に類を見ない特長を持つ
・ハイパーボレアの呪衣:魔術ダイスがちょっと増える防具。装甲値もちょっとなので着脱を使い分けない限りは〈意志〉を伸ばした方がいい
・バイオモーフアーマー:素手攻撃力とガード値を+【精神】点する防具。装甲値も高い。ぜひ掛け声とともに装甲を展開したい
・旧き者の水晶:魔術の保険として持つ。悪用ダメ。ゼッタイ
■総評
前評判の通り、確かにずば抜けて強力なアイテムデータがちらほらある。しかしそれ以上に独特の個性が光るアイテムも多くあったので、全体としては考え甲斐のある面白い追加データが揃っている印象だ。
しかしまあ一部のずば抜けて強力なアイテムは本当に(読んでる途中で評価基準を狂わされる程度には)強力なので、サプリデータ採用の際はGMはもちろん同卓者へ必ず確認を行おう。
以上、侵蝕率に気をつけて良いダブルクロスを!
©F.E.A.R.「ダブルクロス The 3rd Edition」
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